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【I'Ms 夏 Musical 御挨拶】

 舞台の魅力は、「同じ世界で一つになれる」という感覚を、そこに集う多様な人々と共有できる特別な体験だと思います。互いに響き合い、可能性を育み合いながら創造力を喚起させ、舞台という想像を遥かに超えた世界観を互いの力を持ち寄って建ちあげる。その経験は、教え育むと読む「教育」という言葉よりは、響き合いながら互いに育み合う、『響育(きょういく)』という言葉の方がより相応しい様に思えます。

更に舞台創りでは、勝ち負けや順番を競い合う「競争力」ではなく、共に響き合いながら創造する力を育み合う『響創力(きょうそうりょく)』という言葉の方が適切なのではと実感します。『響育』や『響創力』は私の造語ですが、これらはI’Msの舞台創作における基本理念であり、子ども達の未来を拓く為の道標(みちしるべ)になる言葉だと思います。

 響き合う為には、「私達」という「複数性(共同性)」が常に活動の前提となります。多様な人々が集う総合芸術としての舞台創作は、「誰一人欠けても成立しない」という不文律があり、それは各地に残る「祭り」の原点とも繋がります。地域の「祭り」は、古来より人々の生命力を蘇らせ、身体性を復活させるという重要な役割を担ってきました。また祭りは、「子どもから大人への通過儀礼」としての重要な機能を果たしてきました。「祭り」と「舞台創作」には、共同性、利他性、奉納・奉仕の心という点で、共通した精神が内在します。その意味からも舞台創作活動は、「現代の祭り」と言っても過言ではありません。「祭り」が地域共同体の基盤であった様に、I’Msの祭舞台が、様々な可能性を宿す人々の“響育”や“響創力”を喚起する「祭り場」として、その役割を果たしていければと願っております。

 今年の祭り舞台『I’Ms夏 Musical』の全編を貫くテーマは、『希望』。

 「希なる望み」である『希望』を求めて、奇想のオムニバス舞台の幕が落とされます。

 一途に直向きに一夜限りの魂の「響宴」を、最後までご堪能いただければ幸いです。



脚本・演出 三木 弘和

一般社団法人 地域舞台創造I‘Ms代表理事




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